名前の無い物語


ーー 生きてることが、誰もが幸せと感じるか は分からない。 時には、死んだ方が救われる時があるんだよーー


俯いていた顔を
海は咄嗟に上げた

「…その言葉…。」

來があのとき…俺に言ってくれた言葉…


「大切な人が居なくなる悲しさとか、人を殺めてしまった苦しみとか…ガーディアンと暮らしいてる私には分かりません。
けど、何が幸せで何が不幸かは誰かが決めるものじゃない。その人が決めるものだと思うんです。」

七菜はそう言って
海を見つめた

「藍那さんが海にお礼を言ったのならば…憎んでいなかったのならば…きっと藍那さんは、救われたのだと思います。

藍那さんは、こんな風に自分を責めている海を望んではないのでは?」

優しく笑う七菜に
海は何も言えなかった

つい似たような事を柚歌や吉野に言ったのは
俺だったのに…

「少なくとも、海がそこまで救いたいと思った大切な人が…海の事を恨んでいるとは思えません。」

仕草の1つ1つが
華にソックリで

一瞬、華に認められた気がした
許された気がした

一番、話してはいけなかった人物に…悟られたくなかった人物に…許された気がした







華…!