名前の無い物語



ーー皆と過ごした四年間が…『鈴木藍那』の最初で最後の宝物だよーー


数ヵ月前

俺達は、世界を滅ぼそうとする勢力…"チーム"と戦った

だけど"チーム"も、過去に自身の大切な人達を失い
そんな人物をもう増やさないように…彼らなりに世界を作り替えようと考えた末の手段だった

その"チーム"のメンバーの一員に…同じ星組であるクラスメート…鈴木藍那も含まれていた

立ちはだかる彼女と対峙したのは
紛れもなく…当時の海

「…俺には、アイツが苦しんでいるように見えたんだ。アイツに戻る道は無い。この先…これ以上に苦しい道が待ってる、そう思った。」

ーーありがとう…海ーー

「アイツを救うには…殺すしか無いって思った。」

ーーこれで私は、救われるーー


最期に告げた藍那の言葉が
映像が
フラッシュバックする

「礼を言われる事なんてしてないのに…俺はただ、俺が楽になりたかっただけだったんだ…。」

苦しむ藍那に目を背けたくて
悲痛を訴える声を遮りたくて

ただ俺が…楽になりたかっただけ…


「これしか方法はなかった。皆もそう言ってくれた。

だけど人殺しの罪は…そう簡単には消えてくれなかった。」


あの日の後悔は、日に日に心に積もっていって
俺の心を蝕んでいった

これが、俺の闇

決して消えることの無い…永遠の闇


「…『生きていることが、必ず幸せであるとは限らない。死ぬことの方が、幸せと感じる事もある』。」