名前の無い物語


箙亜未

必死に記憶を蘇らして考えてみるが
そんな名前の人物に…心当たりは無い


「すみません…心当たりは…。」

最後まで聞かなくても
海の申し訳なさそうな表情で、この場にいる誰もが悟った

「…そうですか。」と箙の悲しそうに微笑んだ


「けど、箙さんが感じた娘さんの波動が間違ってないのなら…、俺から、本当に感じられてるなら…。

どこかで、俺と関わりがあるのは間違ってないと思うんです。」

海の言葉に
箙は顔を上げた

「俺、亜未さんを探します。地上全部回って、手掛かりを見つけてきます。

そして必ず…亜未さんをここに連れてくる。約束します。」


もし俺と彼女と何かしら共通点があるのなら
きっと…これからもまた会える

その時は、亜未さんに天界に戻って貰うんだ


「…。」言葉を失った箙
ありがとう、とそう口にしようとした瞬間


ドンドンーー