カチャリ、とテーブルに暖かい飲み物が置かれた
美味しそうに湯気が出ているコーヒーは、奥さんが煎れてくれたもの
「当時、我々天使の…王に当たる人が言ったのです。『人間と魔物を滅ぼす』と。」
「!」海は目を丸くした
この世界に関わりのない吉野達も、その話は現実味を帯びなかった
「お恥ずかしい話ながら、我々天使達にとって王の発言は絶対。反対する者も居たのでしょうが、我々は何も言えず…その計画は進められました。」
「あんたは反対した側だったのか…。」
空の呟きに、箙は気まずそうに頷いた
反対しながらも、何も出来なかったことに罪悪感もあるのだろう
そう空は感じ取った
「けど実際、人間は滅びてない。当時、人間には能力は無かった筈だ。なのにどうやって…。」
天使が本気を出せば、魔物はともかく人間なんてすぐに滅ぼせる
なら何で、俺達は今生きてるんだ?
「…詳しい事は分かりません。これは仮説ですが、何者かが王を止めた…そう思うのです。」
「…その正体は、ご存じないですか?」
海の言葉に、さらに箙の表情は曇った
言いづらい事なのか、と吉野達は直感で察する
「…とある、人間です。」

