名前の無い物語


本来、ソードマスターは光を司る者

どんな理由であれ、闇を司る者はマスターにはなれない
それが夏村の教訓だった


「お主…そのまま闇を解放すれば、闇に飲み込まれ帰ってこれなくなるぞ?」

ニヤリ、と挑発そうに言う鎖邊に
陽斗もまた余裕そうに笑い返した


「知ったことか。吉野を護れるのなら…闇に堕ちる事など怖くない。」


あの純粋な笑顔を護れるのなら
嫌いな闇にだって…身を捧げる


鎖邊はハァと溜め息を吐くと
自身の周りに…闇を纏わせる


「!お前も…!?」

「未熟なお主に、教えてやろう。」


キィン、と黒い光を放って現れたのは
灰色の…闇を纏った剣


「闇の力の素晴らしさを。」

その言葉を合図に
陽斗は一気に間合いを縮めたーー