名前の無い物語







吉野は走っていた

手には、桃色の2つの花束を握りしめて
いる

『約束』の意味がある…桃色の華

息が切れかけているのも忘れたように、吉野は必死に足を動かす

只謝りたくて
伊織と陽斗に…只謝りたくて…

そして、今度こそ伝えたい
この花束に乗せて

心の底から、『おめでとう』ってーー


「っ!?何だ…?」


視界に入った、見慣れた修練場
だけど…今日はいつもと違って
煙を上げていた


「爆発…!?」

修練場じゃなく、後ろの研究室からみたいだけど
式は…二人は…?


「陽斗、伊織っ!」