名前の無い物語


ほんの2年前

もう既に研修で経験をつんでいた伊織と陽斗は、師範に吉野の事で抗議した

毎日必死に特訓を重ねている吉野
誰よりも強い筈なのに、吉野には研修の機会は与えられていなかった

その事で、二人は師範に抗議をしに行った


ーー師範、見て分かる通り吉野は同期の中でダントツに強いですーー

ーー研修に入っている人達よりも、吉野は実力があります。なのに何故、吉野に研修任務を与えてはくださらないのですか?ーー

皆が帰った修練場で話す二人
師範はまだ二人に背を向けていた


ーー…確かに、吉野は同期の中で一番実力があるーー

師範の言葉に
二人は少し安堵の息を吐いた

ーーならば何故…ーー

ーー…これも、吉野を護る為だーー

予想にもしなかった師範の言葉
二人は顔を見合わせた


ーー…研究者の、鎖邊の事は知っておろう?ーー