辺りに舞う煙
口と鼻を覆いながら、伊織と陽斗は足を進めていた
「師範!」
視界が悪い中
二人は師範の姿を捉えた
声に、師範は振り返る
「お前達…待っていろと言っただろう?」
「一体何が起こっているのですか?」
全く引かない二人に、師範は溜め息を1つ吐く
真剣な瞳を向ける伊織と陽斗に、師範は険しい表情を浮かべた
「鎖邊の奴だ…。」
鎖邊
その名前に二人は目を丸くした
鎖邊は、心を研究する第一人者
この修練場の隣にある研究室で彼は長年研究を続けており
師範との同期で、元はソードマスターだった人物
「…博士が、一体何を…?」
彼の事は二人も何度か会ったことはある
もう年老いているにもかかわらず、怪しげな瞳を浮かべて
生徒達を…見つめていた
「…以前、吉野の事について話したのを覚えいるか?」

