名前の無い物語









「浮かない顔だな。」

修練場の、祭壇の上
現マスターでもある、彼らの師範が伊織と陽斗を見つめた


「何か、今回の就任に問題があるのか?」

「…いえ。」

「何も、ありません。」

二人の元気の無い答えに、師範は少し首を傾げながらも
いつも通り、険しい表情を浮かべた


「なら堂々とするが良い。本日でお前たちはマスターとなり、ここにいる生徒達の模範とならねばならぬのだから。」


祭壇にいる師範と、その前に立っている伊織と陽斗

その周りには…数人の生徒達二人の就任式を祝いにやって来ていた

だけどその中に
滝川吉野の姿は無い