名前の無い物語













海と華が医務室に入った時には
もう既に柚歌と空の姿は在った

「海も呼ばれたの?」

「あぁ…吉野の事で、話があるって。」

柚歌と空も頷いた

そんな二人の様子を見て
海はフッと微笑んだ

「話…出来たんだな。」

柚歌と空は顔を見合わせる
そして、「えぇ。」と嬉しそうに笑った

「全部知ったわ。空の今までも、これからすべき事もね。」 

そう言った柚歌の表情は
どこか嬉しそうで

「よかったな、柚歌。」

この日が来ることを
柚歌は…どれだけ望んでいたのだろう?


「…心配かけました、海…さん?」

「いや、海でいいよ。俺ら同い年だろ?」

その海の言葉に
空は一瞬目を丸くしたが「…そうだな。」と静かに笑った


カチャリ、ゆっくり開いていく扉
奥から出てきたのは

柚璃と葵だった


「…みんな、集まってるね。」