名前の無い物語


突然耳に届いた声
二人は視線を向けた

「…やべぇ、今の俺ただの空気読めてねぇ奴じゃねぇか。」

「直は元から読めてねぇから平気だ。」


夾の言葉に一瞬で直の周りに悲しいオーラが纏う
ハァ、と直は溜め息を吐いた



「…あ、えと…何か?」

必死に涙を拭って
柚歌はしょげている直に恐る恐る聞いた


「いや、滝川吉野の事で…。」

「吉野…目が覚めたんですか!?」


柚歌の叫びに近い声に
直は「いや。」と首を振った


「まだ意識が戻らないらしい。」

直の言葉に、柚歌は「そうですか。」と顔を歪めた

吉野…

心配そうな柚歌の肩に、大丈夫だと空は手を置いた


「実は、その滝川吉野についてお前らに話があるらしい。」

夾のその言葉に 
空と柚歌は顔を見合わせた