名前の無い物語








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「次に目が醒めたら、俺は地面に倒れている事に気付いた。
ちゃんと感覚もあるし、身体もあった。でも、どっからどう見ても俺の知ってる世界じゃなくてさ。たぶん…柚歌達と遭遇したあの世界で俺は復活したんだと思う。」

柚歌と空が出会った、あの世界
仮面の少年…黒蘭に殺られそうだったあの時

「何が起こってんのかサッパリだったんだけど、側に手紙と…スプーンが置いてあった。」

スプーン

その単語に柚歌が反応した


「まさか…運命のスプーン…!?」

柚歌の言葉に空は「たぶん。」と苦笑いを浮かべた

…運命のスプーンが空の下に届いたということは
私たちと同じ…空も選ばれし者…!?

「手紙には、これまでの柚歌達の旅の経緯と、今すぐこの世界から旅立つ事…あと、スプーンに従って進めって書いてあった。

だから俺は、スプーンが示す方向に向かって…そしたら、お前らに会ったんだ。」


すぐにあの世界から旅立つ?
確かに…私達の本当の目的地はたぶん海のこの世界だろう

あの時…何者かに引きずり込まれた感覚はあった
じゃあ、あの老人と黒蘭が、意図的に…?


「…納得した?」