名前の無い物語


拓の言葉に
空の脳裏に浮かんでくる…大切な思い出

柚歌、彰、寧々音

学校の奴等と、馬鹿やったり先生に怒られたり
辛かったけど、愛しい

そんな日々が、空の脳裏を駆け巡った


拓…俺…!


『分かったか?お前の、帰るべき場所。』

拓の言葉に
空は頷いた

帰りたい

心の底から…空はそう思った


『今から俺の能力でお前を世界に戻してやる。上手くいくように祈っといてくれよ?』

意地悪そうな拓の声に
空は少し笑った


…ありがとな、拓


フワリ、とどこか眠気が襲ってくる
何も考えられなくなる…思考が、自分から離れていく

その瞬間


『柚歌を…“沙璃”を頼むな、空?』


その言葉を最後に
空の目の前は真っ白になった