名前の無い物語









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視界を覆う、果てしない黒
起き上がろうとしたとき、空はある違和感を感じた

起き上がれない

いやそもそも、寝てなどいない
 
意識は覚醒しているし、思考もできる
けれど…動かす元である体が、まるで存在しないように
空は何一つ出来なかった


…これが、存在の消滅か

死とは違う、消滅

体だけが消滅して
意識は世界の中に飲み込まれたってとこかな?

ハハッ、と空は溜め息を吐いた
勿論、そんな感じがするだけだが…


…俺、ずっとこのままなのかな?
それなら一層の事意識も殺してくれれば良かったのに

俺がした事に対して後悔なんて1つもない
これで世界は救われた
寧々音や、彰…柚歌が、少しでも笑って過ごしてくれるなら

俺は…


『…聞こえるか?』