名前の無い物語


一番真ん前にいる、どこか海と似ている少年ーー二宮渚は目を丸くした


同時に、海も信じられないように目を丸くする


「渚…!」


ゆっくり、まるで確かめるように近付いてくる彼ら

間違いない

いや…双子の兄を、見間違える筈は無い

あれは…海だ!


「海っ!」

「大丈夫か!?」

すぐに、クラスメート全員が海達に駆け寄る
久しぶりに見た仲間に、海はまだ頭の整理が出来ていなかった


「っとに、どこ行ってたのよバカ!」

「第一声がそれかよ美優。」


大丈夫の言葉は無いのか、と幼馴染みである瀬川美優に海は溜め息を吐いた

どうやら確かに
俺達は…藍沢学園に戻ってきたらしい