名前の無い物語








「長瀬君!」

クラスの場所に戻った駿介の下に
柚歌と海が走ってくる


「柚歌さんに海さん…。来てたんすか。」


「えぇ。吉野がさっき、家を出ていったから…もしかしてここなのかもって。」


今朝からずっと吉野は頭を抱えていた
どうするか、何かに迷っているようで

だけど、ついさっき
決心したのかのように吉野は家を飛び出していった


「…アイツは今リレーの召集に行ってます。俺の代わりに。」

そう言って、駿介は足を指した
昨日怪我した足
柚歌と海は苦笑いを浮かべた

「悪かったな、巻き込んじゃってさ。」

「巻き込まれたなんて思ってないですよ。むしろ…どこか感謝してるんだ。」


「?」柚歌と海は首を傾げた
そんな様子を見て、駿介は仲良く喋っているクラスの方を見る


「ずっと…特に彩夏の奴は滝川の事気にしてたからな。輪の中に入ろうとしねぇアイツを…ずっと。」