名前の無い物語


吉野にはハッキリ感じられていた

殿田から発せられる…闇の気配


「分かる、だと…?君は一体…?」

「あんたは闇に取り込まれてる。そのまま放っておけば、闇に堕ちるぜ?」 


吉野の言葉に、殿田はハハッと笑った
かと思えばすぐに険しい顔に戻る

「言ってる事が分からないな?」

「あんたの内に眠る…闇を消してやる。」

その言葉が合図だった
殿田の顔が、一気に焦った表情に変わった


「消す…?この素晴らしい力を?」

「闇は素晴らしくなんかねぇ。あんたを蝕む毒だ!」

キィン、と吉野の手に剣が現れる
殿田を見つめながら
吉野は構えた


「やっと、やっと手に入れた力なんだ…貴様ごときに、消されてたまるか…!」

殿田の怒りで震えた声と共に
彼に纏う黒い光

光が彼を包み込むと
人型のデュアンテの姿に変わった


…飲み込まれたか

吉野がそう判断した瞬間
ものすごいスピードで距離を縮めるデュアンテ

「!!」キィンと音を立てて
吉野は間一髪剣で受け止めた