名前の無い物語










見慣れた道を
吉野は懸命に走っていた


分かる


まるで、体の内の何かが自分に訴えかけてくるかのように
この先にデュアンテがいると、はっきり伝わってくる



ーーそれが吉野の力なのかもねーー


頭に響いた声に
一瞬浮かんだ…優しい笑顔

あれは一体…誰だっけ?


「…気にするな。」


今はそんなこと考えている場合ではない

自分に言い聞かせるように、吉野は心の中で唱えた



すると、だんだん見えてくる目的地
吉野の、よく知る場所


吉野達が通う…学校だった