名前の無い物語


柚歌の言葉にハッとして
彩夏も駿介を支え始める


「ここから近い病院は?」

「この先曲がって少し行ったところに…。」

彩夏の答えに、柚歌は前を見据える


先程までデュアンテに囲まれていた道は
狭いながら…一本だけ空いていた


海だ、と柚歌はすぐに気付く

海が…自分達の為に道を作ってくれた


「行きましょう。」柚歌の言葉に三人はゆっくり歩き出す
その間に、後ろから一匹のデュアンテが背後から忍び寄る


「’絶空‘!」


シュン、と風を切る音と共に
背後のデュアンテは消滅していく


「海!」

「早く行け!!」