咄嗟のことに彩夏は目を瞑った
だけど、今襲ってくる筈の攻撃や激痛は何もない
…どうして?
フッ、と彩夏は目を開く
自分達を庇うように、黒い生物の攻撃を剣で受け止めている
滝川吉野の姿があった
「…滝川、君?」
目を丸くする彩夏にチラリと吉野は視線を送る
そのまま視線は、彩夏に抱き起こされている駿介に向かった
「…お前…その傷…。」
顔を歪ませながら
駿介は吉野を睨む
その間も、足からの出血は止まらなかった
「っ!」吉野は一旦敵の攻撃を弾いて、剣を振るう
それを避けたデュアンテとの間に、十分な間合いが出来た
「オイ、大丈夫か!?」
血を止めようと、吉野も駿介の足を押さえた
ましにはなったものの、まだ出血は止まらなかった
「っ…てめぇ、何で…。」
苦しそうに息を切らしながら
駿介は吉野を睨み続ける
「…間に合わなくてごめん。」

