名前の無い物語


吉野は少女に声をかける


「ハイ、大丈夫です。」


「ありがとうございました。」と少女は深く頭を下げてお礼を言った



「いや、そんな別に…。」



そこまでの事でもないんだけどな…



吉野は頭を掻いた



「それより、さっきの質問なんだけど…。」



海の言葉に、話は振り出しに戻った
少女も「そうでしたね。」と続ける


  
「その人なら、さっきアッチの方に走って行きました。多分、時計台にいるとおもいます。」



「時計台?」



そう言えば、さっきから目立っているあの古びた時計台
この町にしては、1つだけ雰囲気が浮いているような気がする



「ありがとう!」


吉野の言葉に少女はニコッと笑った
その表情に海は少し首を傾げた