名前の無い物語


海の声に
少女はクルリと振り返った


小さめな慎重
幼そうな顔立ち

柚歌と同じ制服じゃなかったら…高校生だとは思えない


「…?」



少女は二人を見回して、首を傾げた



「あ、えっと…俺達、人を探してて…。」


「茶色の髪の、君と同じ制服の女の子、見なかった?」



少女は一度考え
ニコッと笑った



「あ、見たかもしれないです。」



少女の言葉に海と吉野は同時に顔を見合わせた



「嘘!どっち行ったか分かる!?」


「えーっと…あっーー」



アッチ、と少女が示そうとした瞬間
三人を、黒い影が囲んだ