名前の無い物語











「っ!」


掴まれた襟をいきなり離されて
体勢を整えながら吉野は着地した



「…ここは?」


倉庫の随分はしっこに連れてこられたな
目的地とは多分真逆だろう



吉野の目の前に少年が着地する
瞬間、彼を見据えた


「お前、誰なんだよ…?」


吉野の問いに、少年は何も答えないまま
キィン、と手に黒い光の剣が現れた


「!」


俺の剣と…同じ!?


「何者だよ…コイツ。」


「御託はいらない。」


仮面でくぐもった声
そのせいで、まだ正体は分からない



「俺に見せろ、お前の力を。」


「は?」反論する暇も無く
少年はすごいスピードで吉野に向かっていく   


咄嗟に吉野は剣を構えた