名前の無い物語



「…。」まだ迷う吉野に、海は肩を叩いた


「アイツ等の強さは知ってるだろ?俺達は信じて先に進もう。」


「…信じる?」


吉野は自分の胸に手をあてた
初めて感じるような、知ってるような不思議な感情
確か、前にもこんなことがあった筈なのに…



ーー信じてるんだろ、吉野?ーー




「…分かった。」


吉野は力強く頷いた

今頭に響いた懐かしい声
誰かは分からないけど…今は関係なかった



「行くぜ。」


「吉野、案内して。」


二人の言葉に吉野は頷いて
皆が作ってくれた道を走り出す




「また後で!!」



吉野はそれだけ言って
奥に向かって走っていった