名前の無い物語


バコン、と激しい音と土煙を立てて
扉は奥まで飛んでいった


中にいるのは、こっちとは比べものにならない数の族



「あー、やっぱし朱雀だけじゃなかったな。」


「まぁそっちの方がやりがいあるし。」


「つうかそうこなくちゃな。」


祐希達の言葉に、いつもなら罵声が飛ぶ筈なのに
今回は、誰一人反応していなかった


「…なぁ、何でこんな静かなんだ?」


「さぁ…何か調子狂うんだけど。」


何か、何かがおかしい
嫌な気配を感じる


吉野は辺りをチラ、と見る
数いる族の、その奥

この集団のボス的な存在に纏った、黒い光


「!アイツだ!!」