名前の無い物語



「は?」祐希は首を傾げた
そりゃ、いきなりこんな事言ったのだからそうだろう



「私の街はね、過去にある人物が起こした過ちから、本当は存在してはいけなかったの。

過ちを終わらせる為…私は無関係な彼を巻き込んだ。」



ーー君がやることは只一つ、拓が犯した過 ちを治し、本当の世界を目覚めさせるこ とーー



ーー信じるよ、お前らの話ーー



そう、いきなり話したその物語を
空はすぐ信じてくれて…


「その過ちは、彼にしか正せない。彼はこんな突拍子の無い話を…信じてくれた。

すべてを終わらせる為に、必死に戦ってくれたの。」


本当は街じゃなくて世界だけど…
世界を、終わらせる為に
空は帝国軍と戦ってくれたよね?



「でも彼は、街を終わらせなかった。

自分を犠牲にして、街を救ってくれた…。」



ーーサヨナラ、柚歌ーー


最期にそう言って笑って
あなたは、光の中に消えていった



「…私は無関係な彼を巻き込んだの。本当は隣で笑ってくれてる筈なのに…彼の未来を私が奪ったの!」


空の何倍も生きていたくせに
私が、犠牲になれば良かったのに


「そんな彼に…どう償えばいいか、分からない。」