名前の無い物語












夕陽が町を明るく照らしていた
寮の屋上で、柚歌は夕陽を見ながら溜め息を吐く



「空…。」


ねぇ、私は一体どうしたらいい?

夕陽を見るといつも思い出す
彼と過ごした…最期の瞬間も
こんな夕陽が町を照らしていた


ーーサヨナラ、柚歌ーー


彼の最期の言葉が、頭に浮かんだ


心の闇
私の心に深く…染み付いている過去の傷



ーー彼の心はズタズタに傷ついて壊れているーー



今日占い師に言われた言葉

吉野の心は壊れてる

そんな筈ない
けど…時々、何を考えているのか分からない時がある

まるで、 只流れに流れて生きているみたいに…




「柚歌?」