名前の無い物語



うん、アバウトだな

吉野の感想はソレオンリーだった


「ま、まだ時間はあるし…明日に賭けるしかないな。」


「そういう吉野達こそ、何で旅なんてしてるんだ?」


「えっ?」帆志の言葉に吉野は一瞬言葉を詰まらせた



「だってお前ら兄弟って訳でもなさそうだし…こんな所に旅なんて珍しいだろ?」



「確かに。旅行なら、もっと避暑地とかあったんじゃねぇの?」



桜欄が誇る秀才達の質問に
吉野は視線を泳がせる

えっと…世界の事は言っちゃいけないから…



「俺達、夏休みを利用して色々回ってんだ。
そしたら偶々お前らに会っただけ。」


助け船を出してくれたのは海
吉野はホッと安堵の息を吐いた




「成る程な…友達と行くのも悪くはないかもな。」



「…友達?」


帆志の言葉に
吉野は首を傾げた



「?何だよ…お前と海達は友達だろ?」