名前の無い物語


突如聞こえて来た声
三人は振り返る

すると、さっきまで喧嘩の中心にいた二人の姿が見えた
高校生くらいの少年達は吉野達に駆け寄る


「悪いな、巻き込んじゃって。」


「いいって。俺も久々に楽しかったし。」


海の言葉に少年はニッと笑った
「?」屈託の無いその笑顔に、柚歌は少し首を傾げる


「アイツ等と喧嘩するなんて…お前ら何したんだ?」


「あー…何もしてねぇっつーか、帆志の存在自体がうアウトって言うか…。」


そう言うと、もう一人の眼鏡の少年ーー相沢帆志がソイツを殴った
「いてぇ!」頭を押さえながら、少年は下から睨む


「何すんだよ帆志!」


「何勝手に人のせいにしてんだよ。」


「人のせいって…十分帆志のせいじゃんか。」


うぅ、と少年はため息を吐いた
どうやら彼には敵わないらしい


「そだ!まだ名前言ってなかったよな!

俺、橘裕希!で、コイツが相沢帆志。」