名前の無い物語











「成る程のぅ…。」


校長は長い髭を擦る
あれから一日経って
生徒会として後処理に終われている柚月達の代わりに
吉野達三人は、お屋敷で起こったことを校長に話していた


「恐らく、その生徒からデュアンテが産まれていたのじゃろう。」


「八代さんから…ですか?」


柚歌の問いに校長は「うむ。」と頷く
三人は首を傾げた


「その子は三浦君に憧れを抱いていた。憧れは、後に嫉妬へと変わる。その心の闇が、デュアンテを産み出しのかもしれぬ。」


「そうか…。柚月は人間なのに魔法が使えて、生徒会長だもんな。
なら八代さんがそれに嫉妬して、産まれたデュアンテが魔法を盗んでても辻褄が合うかも…。」


海の推測は多分正しい
魔法使いが、人間に憧れる

自分にもっと魔力があれば…
八代さんはそう思ったのかもしれない


「けど、これで一見落着だな?」


吉野の言葉に二人は笑って頷いた



「さて…次は君達の番じゃの。」



瞬間、空気が変わる
校長が言いたい事は、三人には分かっていた


「これからの事…決まったかの?」