名前の無い物語


お屋敷の二階の窓
そこからいきなり、数個の光の球がどこかに飛んでいった

その内の2つは、桜と拓也の下に向かい
二人の中に、吸い込まれるように消えていった


「…魔法が、戻った?」


「えっ!?ほんとに!?」


驚きの声を上げる柚月に
桜は満面の笑みを浮かべた


「本当…本当です!魔法が…魔法が戻って来ました!」



喜びの余りに抱き付く柚月
そんな柚月を桜はギュッと抱き締めた


「まさか…さっきの光が魔法?」


「恐らくな…けど、何であんな所から…。」 



「あ、吉野!」


拓也の指差した先
窓から顔を出してこっちを見ている吉野


「もしかして…吉野が?」


「ったく、無茶しやがって。」



呆れたように言う海と柚歌
だけど…顔は笑っていた


「よし、とりあえず帰ろう!」


「「賛成~。」」



漸く生まれた笑顔を浮かべて
その場を後にした