名前の無い物語


瞬間、響き渡る激しい雄叫び
デュアンテは空へと浮き上がる
そして…黒い風が吉野達を包み込んだ



「っ…!」


「吸い込まれる…!」


まるでデュアンテが吸い込もうとしているようで
吉野達は足をグッとこらえる


「…!あれ!」


柚歌が指差した先
穴が空いたデュアンテの内
そこから見えた…綺麗な人の手


「っ…!八代さんっ!!」


デュアンテの内に見えた人影
間違いない…あれは八代さんだ!


「‘箒’!」

柚月は呼んだ箒に乗り
一気にデュアンテの方に飛ぶ


「止めろ柚月!飲み込まれるぞ!」


「くそ…デュアンテのどこにこんな力があんだよ…!」



海のその言葉に
吉野はある光景を思い出す

たしか…八代さんがデュアンテに飲み込まれる時
後ろにある鏡も…闇を纏ってなかったか?


『願いが叶う鏡』…!


「鏡だ…!」