「し、慎也……?」 「汐莉……」 俺はゆっくりと汐莉に顔を近付けた。 その時。 「汐莉さ〜ん!お飲み物、何がいいー?」 突然キッチンから聞こえたお袋の声。 「!」 汐莉はバッ!と勢い良く、俺と距離を取った。 「あっ…じ、じゃあ、お茶でお願いします!!」 汐莉はアタフタとしながらお袋にそう言った。 チッ…。 なんだよ、もう少しだったのに。