「あら、いきなりかしら?あたし前にもあなたに言ったような気がするけど……」




お袋は目をパチパチさせる。




はぁ…。
言われてねぇよ、んなこと。




とんだ天然だな、お袋も。




汐莉みたいだ。




「じゃあ今お付き合いしてる女性はいるの?」




「……あぁ、いる」




俺は再び煙を吐き出し、灰皿に煙草を押し付けた。




するとお袋は嬉しそうに顔をほころばせた。




「あらっ!いるんじゃない!今度連れてきなさい!いいわね!?」



「はぁ!?なんでだよ」




俺はあからさまに動揺した。




付き合ってまもない汐莉を家に連れていくのは抵抗がある。




汐莉自身、嫌がるかもしれないしな。