――… 「よし、そろそろ帰るか」 「えぇ」 花火大会が終わり、俺は汐莉の手を引いて歩き出す。 「慎也、今日はありがとう。あたしの我が儘に付き合ってくれて」 「何言ってんだ。俺が勝手に連れてきただけだ」 俺がそう言うと、汐莉は可笑しそうに笑った。 「ふふっ。ありがとね?慎也」 汐莉は優しく微笑み、俺の頬にキスをしてきた。