――ドーン… 会場中から歓声が上がる。 隣にいる汐莉を見れば、嬉しそうに顔をほころばせている。 空一面に広がる大輪の花火。 俺は花火以上に……汐莉に見とれていた。 「慎也っ!すごく綺麗ね!」 汐莉は俺の手をギュッと握り、俺を見上げる。 その見上げられた角度から見えた汐莉の表情に、俺は背中を屈め、汐莉に顔を近付けた。 「し、慎……んっ」 抵抗しようとする汐莉の手首を掴み、彼女の唇を奪った。