「ずっとね?彼氏と花火を見るって夢だったんだ。昔から、ずっと」 「汐莉……」 「あたし、慎也といれて幸せ。恋人になれて…すごく幸せ。これ以上の幸せなんてないから…ね?」 汐莉は優しい笑顔だった。 ……愛しい。 俺には、ただその感情があった。 「俺もだ」 俺は汐莉に向かってそう言った。 こんなに誰かを愛しく感じるのは、28年間生きてきて初めてだ。