「慎也?どうしたの?なんかボーッとしてるよ……きゃっ」 俺はたまらず、顔を覗き込んでくる汐莉を抱き締めた。 俺の腕の中にスッポリと収まる、華奢な体。 フワッと汐莉から香る甘い匂い。 浴衣から出た色っぽい首筋やうなじ。 「し、んや…?あの……」 「……浴衣」 気付けば、俺はボソッと言葉を発していた。 「ゆ、浴衣が…どうかした…の?」 「……汐莉」 俺はグッと腕に力を込める。