「――慎也っ!お待たせ!」 「おう……って…」 俺は現れた汐莉に言葉を失う。 なんでかって? ……見慣れない…浴衣姿だったからだ。 黒地にピンクの花柄が刺繍された浴衣地。 髪はだんごヘアにされ、大人っぽい汐莉らしいメイクもされている。 おまけにネイルまで丁寧にされている。 汐莉は笑顔で車に乗り込んでくる。