「汐莉……」 慎也は震えるあたしの肩を撫でる。 「だっ…て……嬉しいんだも…ん」 「……嬉しい?」 「慎也、が…あたしの誕生日、覚えててくれたこと……すっごく嬉しい……」 「……………」 「慎也…あり、がとう……」 あたしは満面の笑みで慎也を見上げた。 例えあなたの恋人になれなくても… あたしはあなたが好き。 あなただけを見てる。 「……んだよ…そんな顔すんの、反則だろ」 ――え? 慎也が低くボソッと呟いた。