「でも……どうして?今日、何か特別な日だったっけ?」 あたしはキョトンと首を傾げた。 いつもと違う高級ホテル。 最上階のスイートルーム。 いくら考えても…さっぱり分からない。 すると慎也は困ったように笑い、 「お前はホントに天然ボケだな」 そう毒を吐き、煙草を灰皿に押し付けた。 「見ろよ。」 慎也はテーブルを指差した。 「――…あ…」 あたしは思わず声を漏らした。