普段はクールで無口な慎也。




けれど、あたしが話せばちゃんと答えてくれるし、話してくれる。



決して愛想が良いとは言えないけど……たまに見せてくれる不器用な優しさが凄く好き。




「行くか」




「うん」




あたしは先を歩く慎也についていく。





「きゃっ…」




するとあたしはすれ違い様に誰かにドンッとぶつかってしまった。



慎也は呆れたようにこちらを振り向いた。




そして…




「相変わらず危なっかしいな、お前は」




慎也はあたしに近付き、グイッと大きなゴツゴツした手であたしの手を握った。




ドキンッ…。




思わず心臓が高鳴る。