「そう言えば…汐莉は?」 「え?」 カナはあたしから離れ、大きな瞳であたしを見る。 「あたしが…どうかした?」 「ほら…あの松山商業の、一ノ瀬さん?だっけ?」 ドキッ! 慎也のこと…。 「まだ付き合ってるの?」 カナは興味津々に聞いてくる。 「付き合ってないわ。慎也とはただの友達よ」 “ただの友達” 自分で言った言葉なのに、必要以上に傷付く。 「そうなの〜?でもさ!一ノ瀬さん、超イケメンだし、この際付き合っちゃえば!?」 カナのいきなりの発言に目を見開くあたし。