お姫様はイジワル王子様の召使い。【完】

「さぁーてとっ
邪魔者…
いなくなったね♪」


屋上に連れてこられた、あたし。


いたずらっ子のように
にこっと笑う彼女は


女のあたしですらドキッとしてしまうほど。


「な…
なんの用、
ですか…?」


「やだなぁ、敬語なんて止めてよ。」


さっきとは違う、妖艶な表情で、
あたしを軽く睨む。


「…何の用…な、の…?」


怖い。

怖い。

脳が即座に命令する。

『逃げて』

けれど
細胞たちは

その命令を

拒否する。

受け入れない。