お姫様はイジワル王子様の召使い。【完】

朝のSHRのあと、それは起こった。



「あのっ、天星龍さん、ですか?」


「…あ?」


誰だ、この女…


見覚えのない女が、オレに微笑みかけてきた。


「あの、私、隣のクラスに転入してきた、椎名胡桃っていいまぁす♪」


「…何でオレに挨拶しにくんの?」


「え?
それはぁ…」


わざとらしく、頬を赤める。


どうせ、演技だ。


そういうのは、すぐにわかる。


「あ、あの、とにかくよろしくお願いしますっ!!」


椎名胡桃と名乗った女は、跳ぶように教室をあとにした。


「…何?あの娘。」


「龍くんに色目使いまくりじゃん。」


「…でも、可愛かったよね…」