「はぁぁあ〜…」




また、5分歩いて、学校に戻らなければならない。




教室、開いてるかな。




下足箱に乱雑にスニーカーを投げ込み、スリッパに足を引っ掛けた。






「あ。」




なんだ、電気ついてるじゃん。




真面目な子が、残って勉強でもしているのだろうか。




薄暗くなってきた、まだ肌寒い4月の空に、教室の電気が目立っていた。



1−Aの前にたち、ドアを軽くノックした。




「あの−、綾瀬ですが、忘れ物、とらせてくださーい…」











返事は、なし。





「あの−…?」





恐る恐る、ドアを開いた。