お姫様はイジワル王子様の召使い。【完】


「…ごめん。」


「え?」


「ごめんね。
本当にごめん。
そもそも、あたしのせいであんなことになったのに…」



「…泣いたり怒ったり謝ったり。
変なやつ。」



そういいながら、

龍はあたしをそっと抱き寄せた。



「龍…?」


「いいか、特別に無料で、オレ様の胸を貸してやる。
だから…早く、泣きやめ。」


「普段はお金取るんだ…。」


なんて、軽くツッコんでみる。


「そ…そこはいいから、取りあえず、泣きやめ。」


「うん…
ありがとね、龍。」


「てゆーかそもそも、何でお前は泣いてんだ?」



龍の優しさが、嬉しいからだよ。


自分が情けないからだよ。



いっぱいいっぱい泣くあたしを、

龍はずっと優しい目で見守ってくれた。





そして、気付いてしまった。