お姫様はイジワル王子様の召使い。【完】

あたしは所詮、『召使い』でしかなかった。




恋愛対象どころか、対等の人間として見られてなかった。




悲しくて、悲しくて、




ひたすら、大好きな人に背を向けて、




長い廊下を、疾走した。



がしゃん!!



背後で何かが割れる音がした。



振り返ると、



ずっとポケットに入れっぱなしだったラブクリスタルだった。



側面にヒビが入っちゃってる。



「あーあ…」



拾いながら、余計に涙がでる。



これまで、あたしのことを笑ってるんだ。



だんだん、悲しいってよりみじめになってきた。