お姫様はイジワル王子様の召使い。【完】

「…ゆ
みゆ、水結!!」





「ふぇ…?」





ぼうっと目頭が熱くて




その目に人影が映って




あたしの名前を呼んで




「りゅう…?」




「水結、お前どーしたんだ!?」




「え、どーした・って…」




「電話でねぇから家来てみたら、ドアはあけっぱだわ、本人ガラスの破片の中で寝てるわ」




「がらす…?」




ふっと視線を横にずらすと



床が何かの粒できらきら光ってて



あぁガラスってこれかぁ


なんて

妙に納得して



「龍…危ないよ?」




「もっと危ないお前に言われたくない。
ほら、掴まれ…
うわっ!!」




あたしの腕を掴んだ龍が、小さく叫ぶ。




「お前…あっつ!!」




「あぁ、そういえば、昨日39℃あったっけなぁ…

龍、移っちゃうぅ…」




「39℃!?」