彼のブレザーを頭からかぶって 顔が分からないように彼の胸に 顔を押し当てた。 そんな私の行動に、ふっ、と 小さく笑うけど 彼は相変わらず 堂々と廊下を突き進んでる。 不思議なことに、彼が歩いていると 自然と周りは道をあけてくれる。 ”一条くん” 彼の一番大事なことを 知れた気がする。 女に慣れていて意地悪な 彼の名前。 苗字だけ・・・だけど、 無性に嬉しくて、口元が 緩んでしまう。 バレないように。 そう思えば思うほど 彼のシャツを握った手には 自然と力が入ってしまう。